「派遣会社は、何もしてないのに中抜き(マージン)しすぎ!」 「私が時給1500円なのに、派遣先には2500円も請求してるらしい。1000円もボロ儲けしてるの!?」
ネット上では、派遣会社のマージン(手数料)に対する怨嗟の声が溢れています。 「ピンハネ」「人身売買」なんてひどい言われ方をすることもあります。
現役の営業担当として、ハッキリ言わせてください。 その「1000円」は、決して会社のボロ儲けではありません。
今回は、多くの人が誤解している派遣会社の「マージン率(費用構造)」について、具体的な数字を使って解説します。これを知れば、派遣という仕組みの見え方が変わるかもしれません。
1. マージン率の平均は「約30%」
まず、事実として知っておいてほしいのは、日本の派遣会社のマージン率は、平均して約30%前後だということです。
例えば、派遣先企業が派遣会社に支払う「派遣料金」が時給2,500円だとします。 そのうち、スタッフの皆さんに支払われる「時給」が1,750円(70%)だとすると、残りの750円(30%)がマージンとなります。
「えっ、やっぱり30%も取ってるじゃん!」と思いましたか? でも、この750円がそのまま会社の利益になるわけではありません。
2. マージンの内訳(消えていくお金たち)
では、この750円は何に使われているのでしょうか? 一般社団法人日本人材派遣協会のデータなどを基に、その内訳を見てみましょう。
① 社会保険料(会社負担分):約15%(約375円)
これが一番大きいです。健康保険、厚生年金、介護保険、雇用保険、労災保険…。これらの保険料は、法律で会社が半分(労災は全額)負担することになっています。皆さんの給与明細から引かれているのと同じくらいの額を、会社も払っているのです。
② 有給休暇の費用:約5%(約125円)
派遣社員にも有給休暇があります。皆さんが有給を取って休んでいる間も、派遣会社は給料を払わなければなりません。そのための積立金です。
③ その他経費:約8%(約200円)
- 教育訓練費(スキルアップ研修など)
- 健康診断の費用
- 営業担当やコーディネーターの人件費
- オフィスの家賃、求人広告費、システム利用料など
④ 会社の「純利益」:約2%(約50円)
…お分かりいただけたでしょうか? 諸々の経費を差し引くと、最終的に会社の手元に残る「純利益(本当の儲け)」は、わずか1〜2%程度しかないのが現実なのです。
時給2500円の請求で、会社の利益は「時給50円」くらい。 これが「薄利多売」と言われる人材派遣ビジネスの実態です。
3. 「マージン率が低い=良い会社」ではない
たまに「うちはマージン率が低い優良企業です!」とアピールする会社がありますが、注意が必要です。
マージンが低いということは、
- 教育研修にお金をかけていない
- 福利厚生が手薄
- 営業担当が少なくてフォローが雑
という可能性もあるからです。 逆に、大手派遣会社はマージン率が高めですが、その分、研修制度が充実していたり、健康診断のオプションが豪華だったり、何かあった時のサポート体制がしっかりしていたりします。
まとめ:見るべきは「マージン」ではなく「手取り」
派遣会社が暴利を貪っているわけではないことは、ご理解いただけたでしょうか。 マージンは「保険料」や「サポート代」として必要な経費なのです。
賢い派遣社員は、マージン率を気にするのではなく、 「自分のスキルで、時給(手取り)をいくら稼げるか?」 ここに集中します。
派遣会社のマージンを嘆くよりも、スキルアップして、より高い時給で自分を売り込むことの方が、よほど建設的で、あなたの収入アップに直結しますよ!
著者:ハンケ(@hanke_sales) 現役の派遣営業マン。X(Twitter)では派遣営業の裏話や、派遣社員の皆さんが損をしないための情報を発信しています。 👉 https://x.com/hanke_sales


コメント