お疲れ様です、ハンケです。
今日は、少し重たい話をします。 でも、派遣という働き方を選んでいる人、そして今まさにメンタル不調で休んでいる人には、どうしても知っておいてほしい「現場の真実」です。
テーマは、「精神疾患(うつ・適応障害・統合失調症など)からの復帰」について。
SNSやネット記事では、「焦らなくていい」「ありのままの自分で働ける場所がある」といった優しい言葉が溢れています。 もちろん、人としてはその通りです。そうあるべきです。
しかし、私たち派遣営業、つまり「採用と契約のプロ」の視点から見ると、景色はまったく違います。 今日は綺麗事抜きで、私が現場で見てきた「復帰の難易度」と「生き残るための戦略」を、正直に書き綴ります。
現実:同じ派遣会社での復帰は「ほぼ無理(9割)」と思え
まず、結論から言います。 もしあなたが、適応障害やうつ病で休職・退職し、「体調が良くなったから、また元の派遣会社で仕事を紹介してもらおう」と考えているなら、その考えは捨てた方がいいかもしれません。
正直、同じ派遣会社での復帰はかなり厳しいケースが多いです。
なぜか。 派遣会社の社内システムには、あなたのこれまでの稼働履歴がすべて残っています。 そこには、表向きの退職理由だけでなく、営業担当が残した「裏のメモ」が存在します。
- 「突発的な欠勤が続いた」
- 「メンタル不調により、現場とトラブルになりかけた」
- 「連絡が取れなくなる傾向あり」
冷たいようですが、派遣会社にとって最も怖いのは**「派遣先への信用失墜」**です。 一度メンタルダウンして契約途中で終了したスタッフを、別の企業に紹介して、また同じことが起きたらどうなるか。派遣会社の営業担当としての責任問題になります。
「誤解してほしくないのは、『その派遣会社で再雇用=即NG』ではない」ということ。 ですが、**「良い案件に乗れる可能性は極めて低い」**と思ってください。 誰でもできるような不人気案件や、短期の案件しか回ってこない。それが現実です。
「正直に話すこと」が自分の首を絞める
では、派遣会社を変えて心機一転、登録し直す場合はどうでしょうか。 ここで多くの人が悩むのが、**「病気のことを正直に伝えるべきか」**という問題です。
社会的な道徳で言えば、「正直であること」は正しいです。 しかし、ビジネスの現場において、「正直さ」が常に最善手とは限りません。
派遣先企業が求めている人材の条件は、極めてシンプルです。 「長く・安定して稼働してくれる人」 これに尽きます。
彼らは高いマージンを払って派遣社員を受け入れています。ボランティアではありません。 面談の場で「実は以前、適応障害で…」と正直に話してしまった瞬間、企業の担当者の頭には「また休むかもしれないリスク」という文字が浮かびます。
どれだけスキルがあっても、どれだけ人柄が良くても、「安定して来ないかもしれない」という一点だけで、派遣社員としての評価は限りなくゼロに近づきます。 経歴とコミュニケーション、この土台が崩れていると判断されたら、採用の土俵にすら上がれません。
状況によっては、**「詳細な記載をしない(言わない)」**という選択も、私は戦略として「あり」だと思っています。 もちろん、現在進行形で通院が必要で配慮がいるなら別ですが、すでに完治し、医師からもGoが出ているなら、過去の傷をわざわざ自分から広げて見せる必要はありません。
「9割が再発する」という統計の重み
なぜ、企業や派遣会社はここまでシビアなのか。 「冷血漢だから」ではありません。**「合理的だから」**です。
私の派遣営業としての感覚値ですが、メンタル不調で一度退職し、復帰したスタッフさんのうち、9割以上は再稼働後にまた同じ症状で仕事に支障が出ています。
- 新しい環境のストレスで再発する
- 「今度は頑張らなきゃ」と無理をしてパンクする
- 些細な注意を過剰に受け取って出社できなくなる
これが、偽らざる現場の統計です。 「9割がダメになる」とわかっている投資をする企業はいません。 だからこそ、色眼鏡で見られるし、選考のハードルは理不尽なほど上がります。
本人の辛さは、私も痛いほどわかります。 派遣特有の「安月給」「不安定な雇用」「雑な扱い」。 そんな環境で無理をして、心身を壊してしまった。 **「どこかで踏ん張らないといけない」というのは正論ですが、「どうしても踏ん張れない状況」**があることも、私は理解しているつもりです。
それでも、ビジネスは結果がすべて。 再発のリスクが高い人を雇うことに対して、企業は防衛本能を働かせます。
それでも「復帰」を目指すあなたへ
ここまで厳しいことばかり書きました。 「じゃあ、もう人生終わりなのか?」というと、決してそうではありません。
スタートラインは、正直かなり後ろになります。 病気前と同じ難易度で転職活動ができるとは思わないでください。 でも、そこから逆転し、今は元気に活躍している人も確かにいます。
重要なのは、**「現実を知った上でどう動くか」**です。
- 派遣会社を変える(リセットする) 過去の履歴を知らないエージェント経由で、ゼロから信頼を積み上げる。
- 条件を落としてでも「実績」を作る 最初は時給や職種にこだわらず、「半年間、無遅刻無欠勤で働いた」という実績を作ることに集中する。信用さえ回復すれば、次はもっと良い条件へ移れます。
- 「自分を守る嘘」も許容する 完治しているなら、過去の不調は「墓場まで持っていく」覚悟で、普通の顔をして働く。それが「社会人としての擬態」です。
簡単な正解はありません。 正直、どうするのが一番かなんて、私にもわかりません。
ただ一つ言えるのは、**「誰も助けてはくれない」**ということ。 派遣会社も、派遣先も、あなたの人生の責任までは負えません。 基本はWin-Winの関係、利益が出る関係でなければ、手は差し伸べられません。
だからこそ、戦略的に動いてください。 自分の身を守り、生活を守るために、今の自分というカードでどう戦うのが一番勝率が高いか。 感情ではなく、計算で動くこと。
それが、一度つまづいてしまった私たちが、この冷徹な社会で再び立ち上がるための唯一の方法だと、私は思っています。
また、相談などあればいつでもX(旧Twitter)で声をかけてください。 綺麗な言葉での慰めはできませんが、現実的な作戦会議なら、いつでも付き合います。
それでは。
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